「それじゃ、もう一度。」 「雄真の誕生日に。」 「「カンパーイ!!」」 「……お前ら、単に酒が飲みたいだけだろ。」 すでに何度目かすら分からない乾杯に付き合いながら、俺は目の前の 悪友二人に呟いた。 勿論、聞こえちゃいないんだろうけど。 「…しかし、大丈夫かね、この惨状は……。」 ここは、準の家の居間。 『俺の誕生日を祝う』と言う事になって、悪友のハチと準、そして俺の三人で 準の家に集まった訳だが……。 すでに、居間には空き缶やら空き瓶やらが散乱している。 「まさか、ご両親が不在だからって、いきなり飲みになるとは思っても  いなかった……。」 「どうした雄真、全然酒が進んで無いぞ?  …ははーん、さてはお前、下戸だな?」 「……一番最初に潰れるお前に言われたくは無い。」 「なんだとお?  よーし、勝負だ雄真!今日こそお前をぎゃふんと言わせてやるぜ〜?」 へいかまーん、とポーズまで決めるハチ。 「……なあ準。アイツ、すでに危ないんじゃないのか?」 「ハチが信楽焼きの狸に絡むのって、何時もの事でしょ?」 「いやまあ、何時もの事と言えば何時もの事、なんだけどさ……。」 今日はまた、やけにペース早いな。 ……そして、居間に狸の置物を置いているこの家にも、ちょっと疑問だ。 「おいおい、負けそうになったらだんまりかぁ〜?駄目だぞ雄真、勝負の道は  果てしなく遠く険しいものなのだ〜。」 「…もはや言葉すらおかしくなったか。」 「……案の定、最初に潰れたか。」 1時間後。 其処には、ぐーすかと気持ち良さそうに鼾をかいて眠るハチの姿が。 「ま、コレもいつもの事でしょ。」 「……連れて帰るの、面倒なんだけどな。」 「あら、今日は泊まりでOKって、音羽さんには許可を貰ってるわよ?」 「…何時の間に。」 相変わらず、変なところは至れり尽くせりだな……。 「じゃあ、ハチも平気なんだな?」 「……さて、ハチもぐったりしちゃったところで。」 「おいっ!?」 ハチは放置かよ……。 「ハチを起こしちゃ悪いし、あたしの部屋で飲みの続き、しましょ。  雄真へのプレゼントも、あたしの部屋に置きっぱなしだったし。」 「そう言えば、準からはプレゼント貰って無かったな…。」 …ちなみに、ハチからのプレゼントは『秘蔵裏DVD抜きどころ特選集(編集:ハチ)』。 一旦は笑顔で受け取っておいた。 ……後で自宅に匿名で送り返してやる。いや、ハチの名前だけ書いて透明パッケージにするか? 「そう言えば、準の部屋にちゃんと入るのって、初めてだな…。」 「あら、そうだった?」 「いや、どんな感じかは、すももが良く泊まりに行ってるから、聞いてるんだけど。」 そんな事を話しながら、2階へ。 「さ、どうぞ、雄真。」 「おじゃまします、と。」 がちゃり。 「……やっぱり女の子っぽいよな。準の部屋は。」 「当然じゃない。あたしは乙女なんだからっ。」 お人形とか、クッションとか……。 ううむ。 「なんか、こう…落ち着かないなぁ。」 「大丈夫よ、その内慣れるから。  ほら、適当に座って。」 そう言いつつ、準がいつの間にか持っていたのは……ブランデー。 「さ、ハチも居ない事だし、ゆっくりと飲みましょ?」 「……また強そうなのを持って来たな。」 すでに結構な酒が入ってる…と言うか、誕生日だからって無理やり飲まされたんだけど。 俺、大丈夫だろうな……? 「大丈夫よ。もし潰れたら、あたしが介抱してあげるから♪」 「…一抹の不安を感じたのは俺だけか?」 「気のせいよ、気のせい。  ……はい、雄真の分。」 「ありがと。」 グラスを受け取る。 「それじゃ……雄真、お誕生日、おめでとう。」 「ありがとう、準。」 お互いに、グラスを傾ける。 からん。 氷の音。 「……っはー。」 「って、早っ!?」 俺の目の前で、一気にグラスを空にする準。 「やっぱり美味しいわねー。」 「って、全然味わって無いんじゃないか、ソレ……。」 「あら、雄真ってばまだ飲んでるの?」 「…む。」 にやり、と笑う準。 「雄真ってばあたしより男らしいのに、飲むのは遅いんだ……ふーん?」 「……分かったよ。飲んでやろうじゃないか!」 準の挑発にまんまと引っかかり、俺も一気にグラスを呷る。 「………くはぁ……。」 や、やっぱりきついなぁ……。 「さっすが雄真、男前♪  さ、もう一杯行ってみようっ。」 「む、無茶言うなっ。」 「えー、だって……あたしと引き分けでいいの?  やっぱり、雄真はあたしの三倍は飲んでくれないと……覚醒出来ないわよ?」 「別に赤くなくてもいいんだけどな……。」 と言いつつも、準が差し出してくれたグラスを受け取ってしまう俺。 …悔しいからじゃ無いぞ。なんとなくだぞ。 「…あら、空になっちゃった。」 空き瓶を振り回す準。顔が仄かに赤い。 …ううむ、やはり何処からどう見ても女の子にしか見えない。 「結構なペースで飲んでたからな……。」 俺が。 準の三倍飲んでるんだから、そりゃ当然だけど。 「…いかん、頭がくらくらする……。」 「あらら、駄目ね雄真は。あの程度で潰れそうになるなんて。」 くすくすと笑う準。 「……ま、これ以上は困るから、お水持ってきてあげる。」 「悪い…頼む。」 「はいはい。大人しく待ってるのよ?」 ぱたん。 そのまま、準は部屋を出て行った。 「……ふー。」 ぽふっ。 とりあえず、近くにあったベッドに突っ伏す。 「…流石に飲みすぎたか。」 日頃はあまり飲まないブランデーを、それもロックで。 挙句に、準の三倍飲んでたからな……。 「……ん?」 ふと、甘い香りに気が付く。 …どっかで、以前嗅いだような……って、ああ。 「準の匂いか……ベッドだもんな。」 ………。 「……すー、はー。」 ……甘い香り。 「…って、コレじゃただの変態だろうが俺っ!?」 いかん。いかんよ。 準は男だ。誰が何と言おうと男だ。 外見や仕草はオンナノコだけど、準は男なんだっ! ……あ、だったら別にベッドの匂いを嗅いでも平気か。 「……すー、はー。」 ……酒とは別に、準の香りに、くらくらする。 「……って、男でも結局変態だろうが俺っ!?」 いかん、すでに冷静な思考が出来なくなってる……。 こんこん。 「雄真、入るわよ?」 「っ!?」 慌ててベッドから飛び退き、床に座る。 「…ああ。」 がちゃり。 「悪かったな、じゅ……ん?」 水を受け取ろうとしていた俺は、入ってきた準の姿に、その動きが止まってしまった。 「……どう、雄真?似合う?」 「……。」 何故なら、準は……メイド服を着ていたのだから。 ヘッドドレス付き。ロングスカートもお約束。 「……黙ってないで、何か言いなさいよ。」 不安そうな目で、俺を見つめる準。 「…いや、可愛いと思うぞ。」 「……ホント?」 「ああ。似合ってると思う。」 「良かった…雄真に気に入って貰えて。」 「で……その格好をしているのは、何故?」 「それは、ね……。」 そこで、準は俺を見つめ。 「……この格好で、雄真にご奉仕しちゃおうかな、って思って。」 「…は?」 「実は、それが……雄真への、誕生日プレゼントなの。」 ご奉仕? ……ああ。 「水を持ってきてくれたり、寝床をセットしてくれたりとか、って事……。」 「……。」 何も言わず、無言で俺を見つめ続ける準。 …まさか。 「も、もしかして……その、夜な方面のご奉仕、って意味か……?」 「……嫌?」 「あ、当たり前だっ!  そもそも、お前は男だろうがっ!」 「そんな……折角、雄真の為に一生懸命雄真が好みそうな服を作ったのに……。」 「服も自作かよ…。」 「雄真の誕生日の為に、沢山準備もしたし、頑張ったのに……。」 顔を覆って、俯いてしまう準。 そして。 ぽたっ。 ぽたっ。 「……準、泣いてるのか?」 「…泣いてなんか、無いわよっ……。」 顔を隠したまま、小さく呟く準。 「……。」 「…今日だけ、今日だけは、雄真に『女の子』として見て貰いたかったの。  そして、雄真にたくさんご奉仕して、喜んで欲しかったのに……。」 準の言葉が、俺の心に突き刺さる。 …………ええい、ままよ。 「……今日だけだからな。」 「…え?」 準が、顔を上げる。 「…それが俺への、プレゼントなんだろ?」 「……雄真。」 涙で目を潤ませた準が、俺を見つめる。 「……ああもう、泣くな。  折角の、俺の誕生日なんだから……。」 準に近寄り、手で涙を拭う。 「…いいの?」 「……何度も言わせるな。  ただし……今日だけだからな。こんな事、二度と無いぞ。」 「………雄真っ。」 抱きついてくる準。 「…違うだろ。そんな格好してるんだから……。」 「…そうね。折角こんな格好してるんだし……。」 俺の耳元に、準が口を近づける。 「…お誕生日おめでとうございます、ご主人様。」 「…ありがとう、準。」 そして。 「…ん。」 準の唇に、そっとキスをした。 「…な、なんか変な気分だな。」 「大丈夫。あたしに、全部任せてくれればいいの。」 キスの後、準を抱きしめたまま、ベッドに倒れ込んだまでは良かったが……。 …こんな経験なんて無いから、いまいち分からない。 「……どうせ、初めてなんでしょ?」 「…そう言うお前はどうなんだよ。」 「あたしだって、初めてよ。  ……だけど、最近の女の子向けの雑誌って進んでるから。  読み漁ってれば、ある程度の知識は出来ちゃうのよ。」 ぷち。 「だ・か・ら。  ご主人様は大人しく、メイドにご奉仕されなさい。」 俺の上着のボタンを外しつつ、準が微笑む。 「…分かった。  メイドさんのお手前、拝見と行こうか。」 「任せて。  ……あたしを、忘れられなくしてあげるから。」 「…っ。」 妖艶な笑み。 その笑みを見ただけで、体が自然と昂ぶってしまう。 「雄真って、やっぱりいい体してるわね。  大した運動もしてないのに……羨ましいわ。」 ちゅ。 俺の胸…乳首に、準がキスをする。 「…うぁ。」 「感じちゃうでしょ?男の子でも、気持ちいいのよ。  …ん、ちゅっ……。」 「く、ううっ……。」 そのまま、其処を嘗め回される。 「…どうですか、ご主人様?」 「……ま、まぁまぁかな。」 「……嘘はいけませんわ、ご主人様。」 ぎゅ。 「…こっちは、もうこんなになって……はちきれそうになってる癖に。」 ズボンの膨らみに、準の手が伸びる。 そして、ゆっくりと撫で回す。 「……じゅ、準っ。」 「…なあに、雄真?」 くすくす笑いながら、撫で回し続ける準。 「……触ってくれ。」 「何処を、ですか?ご主人様?」 「…わ、分かってるだろ。」 「だーめ。ちゃんと命令してくれないと。」 「は、恥ずかしくて出来るかっ!?」 「…じゃ、ずっとこのままね。  ……それとも、止めちゃおうかしら?」 すっ。 準の手が、ぴたり、と止まる。 「……う。」 「ね、雄真。ちゃんと言って。  雄真の口から、あたしに命令して。  ……雄真に求められる事が、あたしの喜びだから。」 じー。 俺の胸にもたれ掛かったまま、見つめてくる準。 「…分かった。  ……それじゃ、言うぞ?」 「うん。」 「俺の、アレを……手で、直接触ってくれ、準。」 「…はい、ご主人様。仰せの通りに。」   俺の言葉に従い、準が俺のズボンを脱がせる。 そして、俺のトランクスの中に、準の手が入ってくる。 「…凄い。雄真の、もうこんなになってる……。  ……もしかして、あたしの所為?」 「……聞くなよ。恥ずかしいんだから。」 「そんな恥ずかしがってる雄真を見るから、楽しいんじゃない♪」 きゅっ。 「くあっ。」 準の手が、俺のアレをゆっくりと扱き始める。 「…あ、痛かった?」 「……大丈夫だ。逆に…。」 「……逆に?」 「……。」 …言えるか。 気持ち良すぎる、なんて、恥ずかしくて言えない。 「…言って、雄真。  雄真の正直な気持ちが、知りたいの……。」 手を休める事無く、潤んだ瞳で俺を見上げる準。 「……気持ちいいよ、準の手。  …コレで満足か?」 「ありがと、雄真。……大好きよ。」 ちゅ。 俺の首筋に、キスをする準。 …いかん。滅茶苦茶可愛い。 「…準。こっち向け。」 「え?……んんっ!?」 準がこっちを向いた瞬間に、準の唇を奪う。 「んんっ!?……んむっ!?」 驚いた顔をする準。 だが、それもほんの一瞬で。 「んっ……ふ、んっ……。」 準の方から、舌を絡めてくれた。 「…んっ……ぷぁっ……。」 暫く、お互いに無言のまま、唇を合わせ、舌を絡めあう。 準も、俺に奉仕する事を忘れ、キスに夢中になる。 「…は、あ…。」 「……っ。  雄真ってば……いきなり、なんだからっ……。」 「…悪い。  準があまりにも可愛くて、我慢できなかった。」 「なっ……。」 俺の台詞を聞き、準の顔が真っ赤になる。 「…は、恥ずかしくないの、雄真?」 「そりゃ恥ずかしいさ。でも……素直に言ってくれ、ってお願いしたのはお前だろ?」 「……う。」 「それなのに、逆に顔を真っ赤にされてもなぁ……。」 ここぞとばかりに、にやり、と笑ってやる。 「……ふーん。  其処まで言われちゃ、あたしも引き下がれない……わねっ!」 「おわっ!?」 ずるっ。 俺のトランクスを、準がずり下げる。 そうなると、俺のアレが完全に見えてしまう訳で。 「な、何する気だ!?」 「手を使ったなら、次は……ココ。決まってるじゃない♪」 そう言って、自分の唇を指差す準。 ……何!? 「ほ、本気か!?」 「…あら、ご奉仕では基本でしょ?別に驚く事でも無いと思いますけれど、ご主人様?」 「そりゃそうだけど……だ、だからって…。」 「今更何を言ってもだーめっ。  ……雄真が喘ぐ声、じっくりと聞かせて貰うんだからっ。」 そして。 「んっ……。」 準の舌が、俺の勃起したモノに這う。 「う、あっ…。」 「…うふふ。雄真のコレ、益々硬くなった。  ……ここ、気持ち良いんだ?」 「……。」 準の問いに、俺は答える事が出来なかった。 酒の酔いもあるけど…準がこんな事をしていると言う事と、初めての感覚。 それらがごちゃごちゃになって、上手く言葉が纏まらない。 「…どうやら、気持ちいいみたいね。  それじゃ……続けるわね、雄真。」 そのまま、更に準が舌を這わせ、舐め上げていく。 その度に、俺は声にならない声をあげる。 「…っ、ぁ……。」 「……んっ、んう……れろっ…。」 少しずつ、真っ白になっていく頭の中。 感じるのは、準の吐息と、舌の感触。 「……んっ?」 突然、準の動きが止まる。 「…準?」 「……雄真。先っぽ…ぬるぬるしてきたわよ?」 「え?」 いつの間にか、俺のアレの先からは……先走りが。 「…ん、ちゅっ……。」 「準っ!?」 そして、その先走りを、愛おしそうに舐め取る準。 「……しょっぱいような、苦いような……不思議な味。」 「…いや、冷静に語らないでくれ……。」 「…でも、コレが雄真の味なんだ……癖になっちゃうかも。」 そう言って、更に舐め取っていく。 それがまた気持ちよくて、結果として、更に先走りの量が増えていく。 「…ちゅ、んむっ……。」 「あ、ああっ……。」 「……もう。  これじゃ、幾ら舐めてもきりが無いじゃない。」 指で先走りを弄りながら、俺を見上げる準。 準の手で、俺の先走りが細い透明な糸となる。 「無茶、言うなっ…。」 「…こうなったら、全部吸い尽くしちゃうしか無いわよね。」 「……え?」 「んむっ……。」 直後。 俺のモノを、準の口が中程まで咥えてしまっていた。 「うわっ…!?」 何と表現していいか分からない、不思議な感覚。 ただ、言える事は、一つだけ。 「…気持ちいい……。」 「……んっ。」 思わず口から出た言葉に、嬉しそうな目を向ける準。 そしてそのまま、ゆっくりと上下に顔を動かし始める。 「んんっ…んむ、んふっ……。」 最初は探るように、小さく。 それも、段々と動きが大きく、そして深くまで咥えるようになっていく。 「ふぅっ、んっ、んんんっ……んむっ、んっ……!」 「うあっ…!」 喉の奥に当たる感覚。 「じゅ、準!無茶するな!!」 「…んーっ!」 ふるふると、顔を振って俺の言葉を拒否する。 逆に、その状態のまま、先端に舌を這わせ、更に俺を悦ばせようとする。 「…うぁ…や、ヤバイ。  気持ち良すぎて……っ。」 頭がくらくらする。目の前も段々ぼんやりしてきた。 そして……このままだと、間違いなく果ててしまう。 「す、ストップ!  これ以上は、ホントに……マズイ……。」 「…ぷはっ。」 俺の言葉を聞き、準が俺のモノを口から吐き出す。 「…雄真、もしかして……イキそうなの?」 「……多分。もう少し弄くられたら、危なかった。」 「……そっか。  じゃあ……最後まで、気持ちよくなってね、雄真。」 「何!?」 「あむっ……。」 再び、俺のモノを深くまで咥え込む準。 そのまま、激しく頭を動かし始める。 「んっ、んっ、んむっ……んふぅ、はむっ……ん、んーっ!」 「だ、駄目だって……うぁぁっ!?」 こつん。 再び、喉の奥まで収められる。 「ちゅるっ……ちゅぱっ、ちゅっ……んっ、んふ、んんんっ……。」 「う、あ、あぁっ……。」 一心不乱に行われる、舌と喉の動き。 あまりの気持ちよさに、俺もちゃんとした言葉が出ないまま、登りつめていく。 「ん、んんんっ、んむぅっ!」 「あ、ああああっ!?」 頭が真っ白になる。 そして、何かが弾けるような、そんな感覚。 どくんっ。 「んんんっ!?」 「うあ……っ。」 どくん、どくっ、どくんっ! 「んんっ……ん、んんんーっ!」 「……ぁ。」 どくん…どくっ……どくん。 「……ん、ふ……。」 ごくん。 喉の鳴る音。 あまりの気持ちよさに、ベッドに倒れていた俺は、その音に反応した。 「……じゅ、ん。」 「……飲んじゃった。  …ちょっと、苦かったけど……愛しい雄真のだから、全然辛く無かったわ。」 「………そ、っか……。」 涙目ながらも微笑む準を見て、力が抜ける。 準を見る為に辛うじて上げていた頭も、再びベッドに沈む。 「……雄真、大丈夫?」 「…多分。ちょっとふらっとしただけだから。  ……メイドさんを抱きしめたら、すぐ良くなるかも。」 そう言って、俺は腕を広げる。 「……余裕じゃない。」 くすくすと笑い、準はそのまま胸に飛び込もうとして。 「…っ!」 「……?」 何故か、準の動きが止まる。 「準?」 「……。」 ぽふっ。 準は胸に飛び込んで来るのでは無く、俺の左に。 そして、腕に頭を乗せる……俗に言う、腕枕と言う奴だ。 「……なんで?」 「…ほら、今飛び込んだら雄真が潰れるかもしれないでしょ?」 「……凄く華奢だって、自分で言ってた癖に。」 「いいから。少し安静にしてなさい。」 ぷい、とそっぽを向く準。 ……仕方無い。多少強引に行くか。 ぐいっ。 「あっ!?」 腕枕にされていた腕で、無理やり準を引き寄せる。 そして、そのまま強く抱きしめる。 「だ、駄目、雄真っ!」 何故か逃げ出そうとする準。 「だーめ。ご主人様の命令だぞ?」 「そ、それはそうだけど……今は駄目なのっ。」 「知らないなぁ……。」 ぎゅーっ。 更に力を込める。勿論、苦しくない程度にしている…つもり。 ぐにっ。 「……?」 俺のお腹の辺りに、不思議な感触。 「…やっ!雄真、離してっ!?」 変に思った俺が、その場所を見てみると。 「……なるほど。」 「〜〜〜っ!」 準のロングスカートの一部分が、盛り上がっていた。 つまりは。 「…俺のを咥えて、勃起しちゃうなんて……はしたないメイドさんだなぁ、準?」 「やぁ……。」 両手で自分の顔を覆い、いやいやと首を振る準。 その顔は真っ赤。 「そう言えば、さっきはたっぷりと俺を苛めてくれたよな…。」 すっ。 「あんっ……。」 さっき準にされたように、俺もロングスカートの上から、準のモノを撫で回す。 「…や、駄目…雄真っ……。」 「…そう言いながら、気持ちいいんだろ?」 「そ、そんな…事は……んっ……。」 言葉では否定しているが、その瞳は潤み、口からは涎が零れている。 「……素直になれよ、準。気持ちいいんだろ?」 「…だ、だって。  あたし、今日は……『女の子』だからっ……。」 「……はー。」 溜め息を付く。 「…準の心は、十分に『女の子』だよ。  だから、無理して『女の子』みたいに『演じる』必要は無いだろ?」 「……雄真。」 「…それに、さ。  やっぱり……気持ち良くなってくれた方が、嬉しいだろ……お互いに。」 「………いい、の?  あたし…凄く、はしたなくなっちゃうかも…しれないわよ?」 「…それも、準なんだろ?」 ぎゅっ。 「ふぁっ!?」 不意打ちで、準のアレを握る。 「だから…答えろ、準。  気持ちいいんだろ?」 「……うん。  いいのっ。雄真に触られて、弄くられて……気持ちいいのっ。」 「…そっか。  流石に他人のモノなんて触った事無かったから、少し不安だったけど……。  準が喜んでくれてるなら、良かった、かな。」 「……雄真だもの。  雄真がしてくれるなら……なんだって、嬉しいわよ。」 頬を染めながら、呟く準。 …反則だ。こんなに可愛いなんて。 「準…。」 準の頬に、手を添える。 それで、準も俺がどうしたいのかを分かってくれたみたいで。 「雄真…。」 準が目を閉じる。 「ん…。」 「んっ……んむ、ちゅっ……。」 何度目か分からないキス。 そのまま、舌を差し入れ、絡めあう。 「…ちゅっ…ん、ゆうまぁ……んんっ…大好きっ……。」 俺の唇を貪りつつ、言葉を紡ぐ準。 そんな準が可愛くて、少し意地悪をしたくなる。 すっ。 「……んんっ!?」 準の顔が、驚きの表情になる。 そりゃそうだろう。 俺が少しずつ、ロングスカートを捲っているのだから。 「ちょ、ちょっと雄真っ……んむっ!?」 文句を言わせないように、再び口を塞ぐ。 その間にも、更にスカートは捲れて行き。 「…へぇ。やっぱりトランクスじゃなくて、ショーツだったんだ。」 「あ、当たり前じゃないっ……。」 俺の胸に顔を埋める準。 見られているのが、相当に恥ずかしいらしい。 「……逃げないんだな。」 「…どうせ雄真の事だから、逃げようとしたら…『ご主人様の命令に逆らうのか』って言って、  逃がさないんでしょ?」 「…正解。」 「……雄真のえっち。すけべ。変態っ。」 涙目で、俺を睨む。 ……それすらも、もはや俺を悦ばせると言う事を、コイツは分かってるのか? 「それにしても……ショーツの形が変わるぐらい、大きくなってるな。」 「…ば、馬鹿っ。」 じっくりと、準のショーツを眺める。 「…お、びくん、って動いたぞ。  ……見られて感じるなんて、準は変態なメイドさんだなぁ。」 「……。」 「それに……ショーツが濡れて、透けてるんだけど?」 「…っ!」 「人に散々言っておきながら……自分も、たっぷりと先走りが溢れてるし。」 「…い、意地悪しないで、雄真……。」 小さく呟く準。 だから、そんな表情をされたら、余計苛めたくなるんだが……。 …ま、これぐらいで許してやるか。 「…それじゃ、意地悪は止めようかな。」 ショーツの裾に手をかける。 「……脱がすぞ?」 「…うん。」 少しずつ、ショーツをずらしていく。 本来ならば、素直にショーツはずり落ちて行くんだろうけど。 「…やっ……雄真、待って…。」 勃起した準のアレが引っかかって、少しずつしか下がらない。 更に、ショーツがアレと擦れるから、少し動かす度に、準の体がびくん、びくん、と震える。 「ほら、もうちょっとで脱げそうだぞ。」 「……んっ…ワザと、焦らさないでっ……。」 「いやいや、コレは準の事を思って…。」 「…嘘。雄真の目、えっちな目をしてる。」 「……そんな風にさせてるんだろ。えっちなメイド……さんっ!」 ずるっ! 「ひゃあああんっ!?」 一気に、準のショーツを引き下げる。 そして、どうやらそれが引き金になったらしく。 びゅくんっ! 「うわっ!」 準のアレが大きく跳ね、その先から白濁が勢い良く吐き出される。 びゅくっ、びゅくっ、びゅくっ。 「…ぁ……ぁっ……。」 射精する度に、準の口から小さな声が漏れる。 目は虚ろで、恐らくは無意識に声が漏れているだけなのだろう。 びゅく……びゅくっ、びゅく……ん。 「……ぁ、ぅ…。」 「おっと。」 力の抜けた準を抱き寄せ、俺が寝ていた場所に寝かせる。 ……自分が出したので汚れたら、間抜けだからな。 「……ゆう、ま?」 「此処に居るぞ。」 ゆるゆると首を動かす準。 顔は上気していて、仄かに赤い。 瞳も潤み、口からはだらしなく涎が零れている。 「……いっちゃった…。」 「…ああ。準がイク姿、じっくりと見せて貰ったぞ。」 「………どう、だった?」 「……。」 「…雄真。」 「ああもうっ。  凄く可愛かった、エロかった、正直興奮した!  ……これで満足か?」 「……良かった。」 にこり、と微笑む準。 ……ヤバイな、本当。 俺、このまま、堕ちるんじゃ無かろうか…。 「……あ。」 準の視線が、俺のお腹の辺りで止まる。 それに釣られて、俺も準の視線の先……自分の腹を見てみると。 「…コレ、準の……かな。」 白い塊が、俺のお腹から胸の辺りまで、点々と飛び散っていた。 かなり粘りがあるのか、俺は立っているにも関わらず、全然動かない。 「……あの、雄真。」 「ああ、気にするな。別に汚いなんて思っちゃいないから。  …とは言え、このまんまだとマズイかな?」 「…待って。」 準が四つんばいになり、俺に向かって歩む。 「準?」 「……綺麗に致します、ご主人様。」 ちゅっ。 「…な!?」 「……んっ、ちゅるっ…。」 俺の腰に手を回し、白い塊……自分の精液を舐め取り、 そのまわりも、清めるかの様にしゃぶり尽くしていく。 「ば、馬鹿!何も、そんな事しなくてもっ…。」 「…ちゅっ……ちゅぱっ…れるっ…んっ…。」 「うぁ…。」 吸い付くようなキスと、その後の舌の動き。 そして……それを行う、準の惚けた顔。 その二つが、心と身体、両方に快感を与える。 「……ちゅるっ……ちゅ、れろっ……。  …ん、綺麗になったわ。」 「………。」 「……雄真?」 小首を傾げる準。 その問いに俺は答えず、目線を下に逸らす。 「…え。」 準も、気づいたらしい。 俺のモノが、再び勃起してしまったと言う事に。 「……どうしてくれるんだよ、コレ。」 準の目の前に、いきり立った俺のモノを突きつける。 「…凄い。雄真の、またこんなに……。」 「……お前が悪いんだからな。」 「…あたしの?」 「準が、あんな事するから……。  ……可愛い準にあんな事されたら、こうなって当然だろ。」 準は男だ。それは間違い無い。 でも、可愛いのは可愛いし、……愛しく感じてしまうのも、本当。 隠しても仕方が無いし、素直に準に告げる。 「…そっか。あたしに、欲情してくれたんだ……。」 嬉しそうに、俺を見上げる準。 「…ね、どうしたらいい?手がいい?それとも、口で?  ……それとも…。」 其処まで言って、準の言葉が止まり、目線が逸れる。 「…準?」 だが、俺の問いかけで、再び俺の方を向き。 「………あたしを、抱いてくれても…いいわよ。」 「…抱く?」 何を今更? さっきだって、準をたっぷりと抱きしめたよな……? 「「……。」」 真剣な目で俺を見つめる準と、意味を図りかねる俺。 その状態が、暫く続く。 「……やっぱり、男の子じゃ、嫌…かな。」 準が笑いながら言う。 でも、それは無理に作った笑みで……。 「…あ、ごめん。  泣くつもりじゃ……無かった…の、に…。」 準の目から涙が溢れ、頬を伝って流れる。 「……いや、その。  抱くって……さっきも、抱きしめただろ?」 「………。」 俺の言葉に、準がきょとん、とした顔をする。 そして。 「……雄真の、馬鹿っ!」 「何!?」 「そのまんまの抱く、じゃ無いわよっ!  …もう、こんな時に、どうしてそんなボケをするのよっ!!」 「え?ええっ?」 「……恥ずかしいから、一度しか言わないわよ!良く聞きなさいよねっ!!」 「は、はいっ!」 思わず直立不動になる俺。 「…あの、ね。その……あたしの、後ろで……する?」 「……後ろ?」 後ろ。 ……バック。 ……バックから? …………。 「……お、お尻っ!?」 「大声で言わないでよ、馬鹿っ!」 顔を真っ赤にして叫ぶ準。 「い、いや、だって……。」 「…あ、あたしだって、誰でもって訳じゃ無いわよ。  ……雄真だから。雄真になら、恥ずかしいし、ちょっと怖いけど……いいかな、って…。」 「準……。」 「どうするかは……雄真に任せるわ。」 そう言って、準は黙り込んでしまう。 「……。」 …今までも十分無茶な事をした気がするけど、これより先は…簡単に決めるべきじゃ無い。 準だって初めてだし、言い換えれば『処女』を奪う事になる。 ……実際は処女なんて無い訳だけど、初めてと言うのは、男でも女でも重要な事に変わりは無い。 それに……やはり、男同士、ってのはどうなんだろうか。 「……。」 無言のまま、時が過ぎる。 それでも、俺の考えはごちゃごちゃのまま、纏まりそうに無い。 「…やっぱり、迷う、よね。  雄真は、普通の男の子なんだし。」 ぽつり、と呟く準。 ……ええい、考えても仕方無い。 「…ごめん。後10秒だけ時間くれ。」 「え?」 準に告げる。コレで、考える時間は10秒だけだ。 頭の中を真っ白に。そして、自分自身に問う。 小日向雄真よ。 お前は、渡良瀬準を……どうしたい? 「………準。」 「…答え、出たの?」 「…ん。」 そう言って、準の手を取る。 「…雄真?」 何も言わず、準の手の甲にキスをする。 「……お前が欲しい。  頭の中を真っ白にして、浮かんだ結論は、それだったよ。  勿論、世間的にもどうなんだろう、とか、男同士か、とか考えたけど……。  …欲しいんだから、仕方無いよな?」 「……雄真。」 「と、言う訳だから……お前を抱くぞ、準。」 「…うん。  あたしの全てを、受け取って…雄真。」 ベッドの上。 俺は仰向けの状態で、寝転んでいた。 「コレ、使うわね。」 そう言って、準が取り出したものは。 「…ローション、ってやつか?」 「うん。濡れないと、痛いから……。」 ローションが、準の手にたっぷりと注がれる。 「ちょっと冷たいけど…我慢してね、雄真。」 俺のアレに、準の手が伸びる。 「うわ、つめたっ!?」 「だから、冷たいって言ったでしょ?  ……コレで小さくなったりしたら、本気で怒るから。」 「…大丈夫だ。  ……準の手……気持ちいいよ。」 ローションのぬるぬると、準の手の動きが加わって、 小さくなるどころか、逆に硬くなる。 「…こっちは、いいわね。  後は……あたしの、お尻にも……。」 準の手が、ロングスカートの中へと伸びる。 「…ふぅんっ……あ、ああっ……。」 「……。」 中で一体、何がどうなっているのか見えないけど……。 「……んっ……んぅっ……。」 「………。」 無茶苦茶、色っぽいんですが……。 「…んくっ……雄真ってば、そんなに……我慢、出来ないの?」 俺のアレを見て、準が笑みを見せる。 「……そんなに、ビクビクさせて……っ。」 「…五月蝿い。  お尻を自分で弄って、また大きくさせてる奴に言われたく無いな。」 ロングスカートの前部分が、不自然に盛り上がっている。 恐らく、準のモノが大きくなっているのだろう。 「……そうよ。気持ちよくなってるわ。  自分の指でさえ、こんななのに……雄真の硬くて太いのが、あたしを貫いたら……。  …すぐに、いっちゃうかも、ね。」 くすり。 再び見せる、妖艶な笑み。 「…ご主人様の熱いモノをお尻に入れられて、はしたなくよがって。」 準の舌が、艶かしく動く。 「……雄真。…あたしが、欲しい?」 俺を見つめる瞳。 …それに、俺は魅了されていた。 「…欲しい。準が欲しい。  準を抱きたい。準を俺のモノにしたい。……準が、好きだ。」 「…あたしも、雄真が欲しい。  雄真に抱かれたい。雄真のモノになりたい。……好きよ、雄真。」 すっ。 準が、俺のアレに手を添える。 そして、自分のお尻にあてがう。 「……無理するな。ゆっくりでいいぞ。」 「…うん。」 ぐっ。 「…んっ…。」 ぐぐっ。 「……あ、うっ…。」 ゆっくり、ゆっくりと、俺のモノが準のお尻の中へと入っていく。 だが、どうしても一番太い部分……亀頭のところで、止まってしまう。 やはり恐怖や不安があるのか、準のお尻が窄まり、押し出してしまうのだ。 「……準、ゆっくりでいいよ。  俺は今でも、十分に気持ちいいし。」 「…でもっ。」 「無理しても、準が怪我したり、気持ち良くなれなきゃ意味が無いぞ。  ……やっぱり、お互いが気持ち良くなきゃ。」 きゅ。 準と手を握る。 「………雄真。」 「…大好きだぞ、準。愛してる。」 「…雄真っ。」 ずるっ。 「あ、あああっ!?」 俺の言葉に気が緩んだのか、お尻の孔が緩む。 その拍子に、俺のモノが飲み込まれていく。 「あ、やっ、勝手に、入っちゃうっ…雄真の、入っちゃうのっ……。」 「うわっ……。」 一度亀頭部分が入り始めると、後はそれよりも細い部分しかなく。 少しずつではあるが、ゆっくりと準の中へと入り込んでいく。 「やぁっ……んん、…ふぁっ……。」 「…も、もう、少しだぞっ。」 強く手を握り締めてくる準。 「…あ、ああっ……は、入っちゃう…。」 「んっ……。」 そして。 「……入った…の?」 「…みたい、だな。」 「……変な、感じ。」 お腹に手を当て、ゆっくりと呼吸をする準。 それだけで、腸壁がうねり、俺のモノを締め付ける。 「ううっ…。」 「…駄目、雄真っ……そんな、動かないでっ……。」 「…そっちが、動かして……くぅ。」 「あたしは、まだ…んんっ……んぅっ……。」 お互いに動かしていないのに、これだけの気持ち良さ。 これで動いたら……想像も付かない。 「準……。」 「雄真っ…。」 一緒に呼吸を整える。 そして、少しずつ、準の身体が慣れるのを待つ。 「……少し、落ち着いてきたみたい。」 「…そっか。」 「うん。…ようやく、雄真があたしの中にあるってのが、実感出来た…。」 「……どんな感じだ?」 「……凄く、熱いの。  雄真のが、凄く、熱くて……融けちゃいそう。」 身体を震わせつつ、呟く準。 「…これで、あたしは、雄真のモノになっちゃったんだ。」 「……後悔してるか?」 俺の問いに、準はふるふる、と首を振る。 「ううん。……凄く、嬉しい。  あたしなんかに、雄真が応えてくれた、って思うと……。」 「……こら。」 ずっ。 「ふああっ!?」 不意打ちで、少しだけ腰を動かす。 突き上げられた時の衝撃で、準の顔が惚ける。 「あたしなんか、って言うな。  俺は、お前だから応えたんだぞ…準。」 「…雄真。」 「…それに、俺も、準と一つになれて……嬉しいし。」 「…うん。」 「…ただ、さ。」 「…何?」 「その、何だ……。  ……実は、結構、抑えてるのが限界に近かったり、なんて…。」 入れているだけでも気持ちいいのに、喘ぐ準の声や、その表情、仕草を見てたら…。 我ながら、今まで良く抑えていたと思う。 「……動きたいの?  あたしを突き上げて、滅茶苦茶にしたいの?」 「…いや、其処までは……。」 「…ホントに?嘘付かないわね、雄真?」 「………。」 「……ホントの事、言って。辛かったら、素直に言うから。  雄真は、あたしを、どうしたいの…?」 俺を見つめる準。 ……ここで嘘言っても仕方無いしな。 「…準の中で、いっぱい気持ち良くなりたい。  俺に突き動かされて、乱れる準を見たい、です。」 「……やっぱり、雄真はケダモノなんだから。」 「…す、素直に答えたのに……。」 ちょっと凹む。 「ほら、拗ねないの。話してる内に、大分余裕が出てきたから。  ……だから、雄真の好きにして、いいのよ?」 「……いいのか?」 「…あたしと一緒に、気持ち良くなってね、雄真。」 にっこりと微笑む準。 「…準っ。」 じゅぷっ。 「ふぁっ…。」 俺の突き上げに、準が声を上げる。 そのまま、ゆっくりと、準の中を掻き回す。 「…んんっ、あっ、くぅっ……はぁぁ……。」 甘い声。 「…ゆう、ま。あたし、変、なのっ……。」 「…痛いのか?」 「ちがう、の……お腹のなかで、雄真が、暴れて……。」 すっ。 準の手が、自分のロングスカートの裾を掴む。 そして、それをたくし上げる。 「…見える、でしょ。」 「…ああ。しっかりと見えるぜ。  ……勃起して、先走りを溢れさせてる、準のモノが。」 「お腹の、奥を、突付かれて……あたし、気持ち良くって……。  ……その度に、あたしのも、びくん、って……。」 「…ふーん。」 じゅぷ。 「ああんっ!」 びくんっ。 俺が試しに深めに突いてみると、準のモノもびくん、と反応した。 そして、その先から透明な液が、更に溢れ出す。 「…えっちだなぁ、準は。  初めてなのに、もうこんなに感じてるんだ。」 「……雄真も、えっちでしょ。  こんなあたしを見て……また、大きくなった。」 「……ええい、五月蝿いっ。」 ぐんっ。 「んんーっ!?」 勢いをつけ、上半身を浮かせる。 格好的には、対面座位と呼ばれるやつ。 ……中に俺のモノを入れたままの準には、結構な衝撃だったみたいだけど。 「……あ、は…。」 身体は震え、目も虚ろ。 アレもびくびくして、ちょっと弄ったら果ててしまいそうだ。 「…準?」 「……いきなり…動かないでよ、馬鹿っ。」 「…気持ちよすぎて、おかしくなりそうだった?」 「……馬鹿。変態。男色っ。」 「む、無茶苦茶言うなぁ…。」 …最後のはなんだ、最後のは。 「…それよりも。」 俺は、準を見つめる。 「……俺、そろそろ限界。」 「…うん。あたしも。」 「……此処から先、準の事を気遣えないかもしれないけど……ごめんな。」 「ううん……。  …雄真。あたしで、いっぱい、気持ち良くなって…ね。」 準の手が、俺の首にまわされる。 「準っ!」 じゅぷっ!じゅぷっ!じゅぷっ! 「あ、あんっ、はぁぁっ!  …ゆ、雄真っ、ゆうまぁっ!」 俺の名を呼び、喘ぐ準。 それを聞き、更に、俺のモノは固くなり、責めも激しくなる。 「やっ、そんなっ……んはぁっ!  だ、だめっ、そんな、おくっ……んくぅっ!?」 「く、くうぅっ…。」 ぎゅっ、とお尻が締まる。 それが、俺に凄まじい快楽となって襲い掛かる。 そんな俺の目に入ったのは……先走りでべとべとになった、準のアレ。 きゅっ。 「ひゃんっ!ゆ、雄真っ!?」 「…ごめん。俺、もう、限界っ……。  ……だから、一緒に果てよう、準っ……。」 そう言って、再び準の中を突き上げる。 それと一緒に、準のモノを手で扱く。 「ふぅんっ!?は、あああっ……ひ、あんっ!?  や、いやっ……ゆうま、ゆうまぁっ!  おかしく…おかしくなっちゃうっ……んくっ!」 「準……じゅんっ……。」 「ゆうまっ……ゆうまぁっ!」 ただお互いに、相手の名前を呼び続ける。 それだけでも、更に登りつめていく。 「……っ!」 さっきも味わった、真っ白な感覚。 も、もうすぐ……! 「準っ!!」 「…んむっ!?」 だらしなく開いていた準の口に、貪るように吸い付く。 それと同時に、準のアレの先端を、人差し指で強めに撫で回す。 「んむぅっ!?」 ぎゅううっ。 準のお尻が、俺のモノを引きちぎらんとばかりに締め上げる。 そして、それが俺への引き金となった。 どくんっ! 準の中に、俺のモノから射精される。 「んっ……んふぅっ!?」 準の身体が震える。 そして、次の瞬間。 びゅくんっ! 「んーーーっ!」 俺に口を塞がれた準から、叫び声が上がる。 だが、そんなのはお構いなしに、俺は準の口内に舌を捻じ込む。 どくっ、どくん、どくっ! びゅっ、びゅくっ、びゅくっ! 「んむっ……んんんっ!」 「んっ…んむぅっ…。」 俺が準の中に射精すると、準も射精する。 準が射精した時にお尻が締まり、俺が準の中に射精する。 どくんっ…どくっ、どくんっ。 びゅくっ、びゅく、びゅくっ。 「…んっ…んむっ…。」 「……ん、ちゅっ…。」 そして、それが暫く続き。 「…ふぁ。」 「…は、ぁ。」 ようやく、俺と準……両方の射精がおさまった。 それと同時に、俺も準の唇を解放する。 「……。」 「……。」 お互いに、言葉が出ない。 ただ、相手を抱き寄せるだけ。 そんな状態が、暫く続き。 「……いっちゃった、ね。」 「……そうだな。」 「…あたしの中、雄真ので……いっぱいになってる。」 「……俺にも、準のがいっぱい飛び散ってるけどな。」 きゅ。 準を抱き寄せる。 「…お風呂、入らなきゃ、ね。」 「……まぁ、これだけ汚れればなぁ。」 きゅ。 準も、俺に抱きつく。 「…ね、雄真。」 「…ん?」 「……好き。大好きよ、雄真。」 「……ああ。俺も、準の事が、大好きだよ。」 そっと、準にキスをする。 さっきまでのキスに比べたら、全然大した事の無いキス。 でも……さっきよりもずっと嬉しい、そして、幸せなキスだった。 そして、翌朝。 「…むにゃむにゃ、か〜みさかさ〜ん……。」 「起きろ、ハチ。」 「そうよ、ハチ。いい加減に起きなさいっ!」 げしっ。げしっ。 「げふぅっ!?」 俺と準の蹴り。 「い、いきなり何をするんだお前らっ!!」 「何って、なぁ?」 「蹴ったに決まってるじゃない。やだ、ハチったらそれぐらい分からないの?」 「そんな事は分かるに決まってるだろ!  なんでいきなり蹴ったかを聞いてるんだよっ!」 「「……。」」 二人して顔を合わせる。 「「…なんとなく?」」 「お、お前らなぁ…。」 引きつった顔をするハチ。   「……いたたたたた。  頭が、割れるように痛い……。」 「ハチは飲みすぎなのよ。あたし達の中で、一番弱い癖に…。  はい、お水。」 「悪い…。」 コップで渡された水を、ハチが一気に飲み干す。 「…っかー!  やっぱり二日酔いの時には、水が美味いぜ!」 「はいはい、飲んだら部屋を片付けるわよ!  この状態は、流石にマズイから。」 「へーい。」 そして、三人で部屋を片付け始める。 「ったく……もう少しで、神坂さんと手を繋げるところだったのに……。」 「…夢の話だろ、それ。」 「五月蝿いっ。夢でも繋ぎたかったんだ!  …まぁ、神坂さんや杏璃ちゃん、さらには小雪さんやすももちゃんとラブラブ学園生活を  送っているお前には、大した事無いだろうけどな。」 ジト目で俺を睨むハチ。 「どうせお前の事だから、四人の内の誰かとラブラブになってるんじゃないか?」 「…え”。」 空き缶を袋に入れていた俺の、身体の動きが止まる。 「……ま、まさか。  本当か!本当にそうなのかっ!?」 「い、いや、それは……。」 「なーに馬鹿な事言ってるのよ。」 奥で片づけをしていた準が、こっちにやって来る。 「雄真とラブラブなのは……このあたしに決まってるじゃない♪」 ぎゅ。 準が、俺の腕に抱きつく。 「…あー、はいはい。好き勝手言ってろ。」 「ま、失礼な反応ね、ハチ。」 「そんな冗談、誰が信じるかっての。」 「……ハチー?ちょっと、あたしとお話しよっか?」 「……うっ、急にお腹の調子がっ!?」 どたどた。 そのまま、ハチはトイレへと向かっていった。 「…全く、ハチすぐ調子に乗るんだから。」 「…まぁ、それがハチだからな。」 「……本当なのに、ね?」 すっ。 準の手が、俺の背中に回される。 「これから、どうするかなぁ。」 「大丈夫、なんとかなるわよ。」 「…そっか。」 「…そうよ。  だって……あたしは、いっぱい雄真を大好きなんだから♪」 眩しいほどの笑みで、準はそう答えたのだった。