準にゃんと雄真の事前説明。 「はーいみんな、ちょっと注目っ。  このお話は、作者がだらだらと書き続けてしまった『準にゃんクリスマスSS』の続きなの。  ……とっくに正月も仕事始めも終わったってのにね。」 「うわ、思ってても言わなかった事をあっさりと言いやがった…。」 「で、簡単にあらすじを説明するわね。」 「……前回みたいな嘘織り交ぜなあらすじは無しだぞ。」 「はいはい。  雄真が散々言うから、今回はあっさりと短くまとめたわよ。」 「なら良いけど…。」 第一部あらすじ:口内射精 「おいっ!」 第二部あらすじ:泡踊り 「待て待てっ!」 第三部あらすじ:初めてのおしゃぶりと前立腺マッサージ 「こらこらこらっ!」 第四部今回予告:雌犬調教 「じゅーんっ!?」 「なあに?短くして、しかも正しい事しか言ってないわよ?」 「こ、これじゃ……俺の人格が疑われるだろっ!!」 「……今更手遅れな気もするけど。」 「うがあああああ、もうちょっと細かく説明しろ!!  このままの説明じゃあんまりだっ!」 「細かい説明が見たい人は、前作(※HappinessAnother04_3.txt)のあらすじをご参照下さいっ。」 「だーかーら、アレも駄目だって言ってるだろっ!?」 「くぅんっ……。」 「な…。」 準のベッドの上。 俺は、目の前の出来事に呆然としていた。 「じゅ、準……?」 「わん。」 四つんばいのまま顔をこちらに向け、可愛らしく鳴く準。 腰は高く上げられ、お尻はゆっくりと揺れ動いている。 ……俺を誘うかのように。 「もしかして……誘ってる、のか?」 ぴくり、と準の身体が僅かに震える。 だが、それも本当に一瞬で。 「……わんっ。」 真っ赤に染まった準の顔。 俺を見つめる潤んだ準の瞳。 勃起して、びくびくと震える準のモノ。 時々ひくつかせながら、俺の精液を零す準のお尻の孔。 その全てが……まだ僅かに残っていた理性を、容赦無く吹き飛ばした。 「…反則だ。」 「…わふ?」 「犯罪だ、凶器だ、兵器だ。  ……そんな顔を見せられて、何もしないなんて出来るかっ!!」 そのまま、四つんばいの準の身体に覆いかぶさる。 そして、淫らな準のお尻の孔に、俺のモノをあてがう。 「ひゃうっ……雄真っ、雄真ぁっ!」 「……こら。今の準は雌犬なんだから…言葉を喋っちゃ駄目だろ?」 「わ、わんっ。」 「よしよし、いい子だな……準。」 「くぅん…♪」 俺に優しく頭を撫でられ、嬉しそうな鳴き声をあげる準。 「さっきはすぐに果てちまったから、今度はゆっくりと……犯してやるからな。」 「……わふ。」 上目遣いで見つめた後、準は俺のモノを受け入れる為に前を向く。 「入れるぞ…。」 ぐっ。 「あ、あっ……。」 「ゆっくりと、ゆっくりと入れるからな……。」 ぐっ……ぐぐっ。 いつもの時よりも更に遅く、ゆっくりと準のお尻の孔に挿入していく。 「わ…んっ、あんっ…くぅんっ……。」 「…もうちょっとで、全部入るからな。」 ぐぐっ、ぐっ……。 「…入ったぞ、準。」 「わんっ……。」 準の身体を押しつぶすかのように圧し掛かり、準の肩に顔を乗せる。 ……それこそ、犬の交尾のように。 「そう言えば、確か準の部屋には……。」 「わん?」 「……あった。  ほら、準……あそこを見てみろ。」 俺の指差した方向に、準が顔を向ける。 其処には……。 「あっ……。」 「……まさに、犬の交尾だろ。」 姿見用の大きな鏡。 其処には、圧し掛かる俺と、圧し掛かられて悦びの表情を浮かべている準の姿が。 「それなのに、そんなに嬉しそうな顔をして……。」 「くぅんっ…。」 ふるふると、顔を横に振る。 「…へえ。違うのか?」 「……わんっ。」 「そうかそうか…じゃあ、試してみるかっ!」 じゅぷっ! 「あはぁっ…!」 いきなり奥を突かれ、甲高い声を上げる準。 「…良く見ろ、自分の顔を。  一回突かれただけで……こんなえっちな顔をしちゃってるんだぞ?」 「…あ、あぁ……。」 「……認めろよ。  雌犬になって、こんな風に犯されて、苛められて……悦んでるんだろ?」 「……あ、あたしっ…違うっ…。」 鏡に映ったはしたない自分の顔。 それを見ながらも、準は言いよどむ。 「…強情だな。  それとも……認めたく無い理由があるとか?」 「だ、だって……。  ……苛められて悦んじゃうって認めたら……歯止めがきかなくなりそうで…。」 「…何か不味いか?」 「……変態な子だって、雄真に思われたら……嫌だもの。  雄真に……嫌われたくないのっ。」 ぽたっ。ぽたっ。 準の瞳から、涙が零れ落ちる。 「…嫌う訳無いだろうが、よっ。」 ぐいっ。 じゅぷっ。 「ひゃあんっ!?」 準を抱きかかえ、無理やり起こす。 所謂、後座位と呼ばれる状態だ。 「い、いきなり何するのよっ!?」 「五月蝿い馬鹿。いいから黙って鏡見ろ。」 「……。」 何か言いたげだったが、しぶしぶ俺の言葉に従い、鏡を見る。 「…大好きなんだよ、準が。」 「え…?」 「学校での準も好きだし、二人っきりの時の準も好きだ。  モデルの準を見て綺麗だと思うし、ファンクラブの準を見て可愛いと思う。  そして……えっちで、いっぱい俺を求めてくれる準も、勿論大好きだ。」 「……雄真。」 鏡に映った準を見つめ、ゆっくりと語る。 「嫉妬してくれる準も好きだし……まあ、なんだ。  俺を苛める準も、その……悪く無いぞ。」 「……悪くない?」 じーっ。 鏡越しに、準に見つめられる。 「…ごめんなさい。良かったです。」 「うわ…変態ね、雄真。」 「なんだとコラっ!?」 「くすくす……でも安心して、雄真。」 きゅ。 俺の手を、準の手が握る。 「そんな変態な雄真も……あたしは愛してるから。」 「…俺も、そんな変態でマゾな準を、愛してるぞ。」 「……いったい何の告白なのかしらね、これ。」 「……俺も途中から良く分からなくなったけど。  まあ…とりあえず。」 ぐいっ。 「ひゃんっ!」 再度準を背後から押し倒す。 「…俺に苛められて悦んじゃう準も、大好きだぞ。  だから……安心して堕ちろ。」 「ゆ、雄真っ…。」 「…見せてくれよ。  雌犬のように犯されて、散々言葉で嬲られて。  それでも悦んでしまう……えっちな準を、さ。」 じゅぷっ。 「あぁっ…雄真ぁ……。」 「…駄目だぞ。今はただの雌犬……だろ?」 お仕置きとばかりに、準のモノに手を伸ばし、ゆっくりと扱く。 「きゃうっ……あんっ……。」 「分かったか?」 「わ、わんっ……。」 「よしよし。それじゃ……ご褒美、だっ!」 じゅぷっ!じゅぷっ、ずぷっ! 「んんっ!あっ、ああぁっ!?」 俺が背後から突く度に、準から声があがる。 「準っ……喋ってるぞっ。」 「…わんっ!わんっ…わふぅっ!?」 にちゃっ、にちゃっ。 「わ、わんっ……だ、駄目ぇっ。」 「うおっ!?」 俺に扱かれて力が抜けたのか、準の身体が崩れ落ちる。 その結果。 じゅぷっ! 「あああっ!?」 「うあっ……。」 俺のモノが、更に奥まで捻じ込まれる。 「やっ……雄真の、奥までっ…。」 「ううっ…そんなに、中を動かすなっ……。」 準の腸壁が俺のモノを包み込み、うねうねと動く。 じっとしている筈なのに、凄く気持ちが良い。 「…ん、くぅ…。」 「う……はぁ…。」 お互いに動きを止め、呼吸を整える。 「…落ち着いたか?」 「……くぅん。」 小さく鳴く。 「まったく……いきなり崩れ落ちるから、ビックリしたぞ?」 「…うー……わんわんっ。」 鏡の中の俺を見つめ、睨みつける準。 「…もしかして、俺の所為だと言いたい?」 「わんわんっ!」 おもいっきり吼えられた。 ……ふむ。 「ほほう、雌犬の癖に飼い主に反抗しようとは…まだ、躾が足りなかったかな?」 「わふっ?」 「そんな悪い雌犬には、自分の立場を分からせないとな…。」 ぐいっ。 「ひゃんっ…。」 「よいしょ、っと。」 再び準を抱きかかえ、後座位の体位を取る。 「な、何をするつもり……わんっ。」 「また中途半端に喋る雌犬だな…。  ……可愛いからいいけど。」 「きゅぅんっ♪」 可愛い、の一言が嬉しかったのか、俺の胸に頭を摺り寄せてくる。 「でも…お仕置きはちゃんとするからな、準?」 にちゃっ。にちゃっ。 「あっ……くぅんっ……。」 片方の手は準を抱きしめ、動けないようにして、もう片方の手はゆっくりと準のモノを扱き、亀頭を撫でる。 「気持ちいいか?」 「…わん。」 「…もっとするぞ?」 「……わんっ。」 ずっ……ずぷっ。 「ふぁっ……んっ……。」 扱く動きに合わせて、ゆっくりと準の中を突く。 「わ、んっ……くぅんっ……。」 「ちゃんと犬の言葉で喘ぐなんて……いい子だな。」 「わんっ……♪」 俺の方を向き、嬉しそうに微笑む準。 ……本当に可愛い奴だ。 「…って、いかんいかん。  コレはお仕置きなんだよな……。」 「きゅうんっ…。」 「うっ……そ、そんな悲しそうな目で見るなっ。  俺は飼い主として、悪い雌犬の躾をだな……。」 「……くぅんっ。」 じー。 「………まあ、徐々に躾ける方向で。」 「わんっ♪」 準の瞳に、あっさりと屈服する。 「…相変わらず準に弱いなぁ、俺。」 「ふふ…飼い主さんは、何だかんだ言っても最後には…ワンちゃんのおねだりを  断れないのよね?」 「……仕方ないだろ。惚れた弱みなんだから。」 「うん、知ってる。だってあたしだもの。」 「うわぁ、自分であっさりと言いやがった…。」 「……でも、あたしも同じだから。  何処かの飼い主さんが悦んでくれると思ったから……あたしは、淫らな雌犬になろうって思ったの。」 「っ…。」 …だから。 どうしてそんなに俺が喜ぶ台詞をぽんぽんと言えるのかな、こいつは…。 「だから……ずっと飼ってくれないと駄目だからね、飼い主さんっ♪」 ぺろっ。 俺の頬を舐め、にっこりと微笑む。 「…きっちり躾けてやるから、覚悟しろよ。」 「……うん、分かってる。  雄真の好きなように、あたしを……えっちなワンちゃんを、躾けてね。」 「…もちろん。  他の誰にも靡かない様に、俺だけの…雌犬にしてやるからな。」 準の頬に手を添え、俺の方を向かせる。 「……ん。」 「んっ…。」 そのまま唇を奪い、舌を入れる。 口内を嘗め回し、舌を吸い、絡め合う。 「んむっ…ちゅっ…。」 「…ちゅっ…んっ…。」 キスを続けていると、準の腰がゆっくりと動こうとする。 「こら…飼い主に許可も得ずに、勝手に動くのは駄目だろ。」 「くぅんっ…。」 準を抱きしめ、動きを封じる。 「ね、雄真……。」 「…おねだりか?」 「だって…あたし、もうっ……。」 キスをしている間も、ずっと準のモノは俺に弄ばれていて。 「…まあ、これだけ溢れさせてればなぁ……。」 「やぁっ……。」 準の目の前で、指を動かす。 その度に、先走りで出来た透明な糸が生まれる。 「…で、えっちな準はどうしたいんだ?」 「……分かってるでしょっ。」 真っ赤な顔のまま、俺から目を逸らす準。 「うーん、俺は頭の悪い飼い主さんだからなあ。  ちゃんと言葉にして言って貰わないと、分からないかな?」 「なっ……。」 「でないと……ずっとこのまんまだからな?」 焦らすかのように、亀頭を擽る。 「ふぁ……んくぅ…。」 「ほら、どうした?」 「うーっ……えいっ。」 抱きしめていた俺の手を、準が掴み。 かぷっ。 「わうっ。」 そのまま口に指を含み、甘噛みしてきた。 かぷかぷかぷ。 「わうわうわうっ。」 「むうっ…。」 ……すまん、準。 俺が馬鹿になってるだけかもしれんが……どう見ても可愛い。 「あー…そ、そんな威嚇をしても駄目だぞ。」 「わぅ……。」 じーっ。 少し寂しそうに、そして悲しそうに見つめる準の瞳。 ……だ、駄目だ。此処で負けては…飼い主として、何より彼氏としてのプライドがっ。 「くぅんっ……。」 がしゃーんっ。←あっさり砕け散ったプライド。 「…参った。参りました。」 「わんっ♪」 にっこりと笑う準を抱きしめ、苦笑する。 「ううむ…前からそうだった気もするけど、最近更に準に甘くなったな…。」 「でも、嫌じゃないんでしょ?」 「…仰るとおりです。」 「ふふ……でも、凄く嬉しい。  雄真にだったら、苛められるのも嫌いじゃないけど……最後はやっぱり、優しく抱いて欲しいもの。」 「…ああ。  なんだかんだ言っても……最後は、ちゃんと準の顔を見たい。  準の顔を見ながら、ゆっくりと、優しく……抱きたいって思う。」 少し強めに準を抱きしめる。 準も、俺の手に自分の手を添える。 「「……。」」 ……そのまま、ゆったりとした時が暫く流れ。 「……あ。」 「…ちっちゃくなっちゃった。」 …さっきまで散々準を責め立てていた俺のモノは、準の中で小さくなってしまっていた。 「わ、悪いっ。」 「ううん、気にしないで。  ……あたしのも、落ち着いちゃったし。」 見てみると、準のモノも小さくなっていた。 「……なんか、和んじゃったからなぁ。」 「…ま、二度とは起きないと思うけど。  ……ね、ケダモノさんの雄真?」 「失礼な事を言うな。  ……抜くぞ?」 「…ん。」 準の中から、俺のモノをゆっくりと取り出す。 「…ね、雄真。」 「はいはい。」 ベッドに仰向けに寝転がり、腕を伸ばす。 その腕に、準が頭をのせる……俗に言う、腕枕。 「…そう言えばさ。」 「ん?」 「クリスマスプレゼント、まだ決まってないんだけど…。」 「……雄真、それはあんまりじゃないの?」 「ち、違うっ。  決して、忘れてた訳じゃ無いんだぞっ?」 「分かってるわよ、そんな事。」 くすり、と準が笑う。 「あたしに一番良いプレゼントは何か、って考えてる内に、今日になっちゃったんでしょ?」 「……悪かったな、センス無くて。」 「…ううん、雄真らしいわ。  いつも真剣で、妥協が無くて……融通の利かない、馬鹿一直線。」 「……それ、褒めてるのか?貶してるのか?」 「んー、両方?」 「……あっさり言うなよ。」 ちょっと凹む。 「でも…それだけあたしの為に考えて、悩んでくれたって事…凄く嬉しい。」 「…そっか。」 幸せそうに微笑む準。 それだけで、俺も嬉しくなる。 「それに……こうして、二人っきりでクリスマスイブが過ごせるんだもの。  それ以上のプレゼントなんて無いと思うけど?」 「……確かにな。」 こうして、準とのんびりと一緒に居る事。 当たり前になってしまって忘れそうになるけど……これこそが、一番重要で、大事な事なんだ。 「……あ。」 「ん?」 「雄真……窓。」 準に言われ、俺も窓を見る。 そこには。 「ホワイトクリスマスか……出来すぎだな。」 「…でも、綺麗。」 「…そうだな。」 ちらちらと、雪が降る。 対した事では無いと言ってしまったら、それまでだけれど。 「……ありがと、雄真。」 「…別に俺が降らせた訳じゃ無いぞ?」 「……言いたかっただけよ。」 「そっか。」 ……大切な人と一緒ならば、それすらも幸せな出来事なんだ。 「……ありがとな、準。」 「…うん。」 「メリークリスマス、準。」 「メリークリスマス、雄真。」 大切な人の傍に居れる幸せを嬉しく思いながら、俺は準の唇にそっとキスをした。 クリスマス、小日向家の居間。 今日は、みんなを集めてのクリスマスパーティ。 ……だったのだが。 「ゆうま〜、のんでる〜?」 「飲んでる飲んでる、飲んでるから落ち着け杏璃っ!」 完全に絡み酒状態の杏璃を宥め。 「ゆうまく〜ん、はい、あ〜ん♪」 「にいさ〜ん、あ〜んしてください♪」 「待て待て、流石にイチゴケーキとコロッケは同時に食べられないから!」 春姫とすもものあ〜ん攻撃をかわし。 「むっ……沙耶、今こそ小日向にアタックを仕掛ける時だ!」 「は、はいっ。」 「って、上条さんものらなくていいから!伊吹も適当な事言ってるんじゃ無い!」 ほろ酔い加減で正常な判断が出来なくなってきた上条さんと伊吹を押しとどめ。 「ふっふっふ……どうしたのかしら鈴莉ちゃ〜ん?  もしかして、もうダウンかしら〜?」 「ま、まだ酔って無いわっ……うぷっ。」 「かーさん、それ以上煽るな!ああっ、先生そんなところで吐かないで下さいよっ!?」 一番正常でなくてはいけないのに一番駄目な、かーさんと先生の間に入る。 「……じ、地獄だ。  クリスマスパーティの筈なのに、何故こんなに辛いんだ……。」 「まあ…どうしてでしょうか?」 「……元凶がその台詞を言いますか、元凶がっ!?」 皆にアルコールを配ると言う、最もいけない事をした張本人。 その小雪先輩は、何時も通り四次元エプロンから取り出したワインをゆっくりと嗜んでいた。 「ですが…クリスマスと言えば、シャンパン。  シャンパンと言えば、アルコールですよ?」 「スピリタス(度数96度)まで持ち出して何を言いますかっ!  …って言うか、実は俺を苛めて楽しんでるでしょう、小雪さんっ。」 「ふふ…好きな子程苛めたくなる、と良く言うじゃありませんか。」 そう言って、俺を見つめる小雪さん。 「それに…雄真さんこそ、その言葉に思い当たる節があるんじゃありませんか?」 「「っ!?」」 きゅぴーんっ。 突如光る小雪アイ。 …ま、まさかこの人は……昨日の事を、知っているのか? 「……っ。」 こっそりと準を見ると、小さく首を横に振っていた。 …そ、そりゃそうだよな。知らせる必要も無いし、知られる筈も無いよな。 「な、なんの事でしょうか?」 「……雄真さん。  首筋…虫にでも刺されましたか?」 「首筋……?」 一瞬何の事か分からず、俺は呆然とする。 「……っ!?」 だが、次の瞬間には意味を理解した。 『…ん。マーキング完了♪』 『……って、其処じゃ襟でも隠せない場所だろうが!』 『隠せる場所じゃ、マーキングの意味が無いでしょ?』 「い、いやっ、これはっ!?」 準に付けられたキスマークを隠す為、慌てて首筋を押さえる。 「……大丈夫ですよ、雄真さん。  私はその事について、聞くつもりはありませんから。」 にっこりと微笑む小雪さん。 「ほ、本当ですか?」 「…私が、雄真さんに嘘をついた事がありましたか?」 「割と結構頻繁に策略に巻き込まれてる気がしますが。」 「……こほん。」 「いや、誤魔化さないで下さいよっ!?」 「まあ兎も角、私は聞きません。……私は、ですけどね?」 きゅぴーん。 再び光る小雪アイ。 そして……背後に感じる、複数の気配。 「……はっ!?」 慌てて振り向くと、そこには。 「雄真くんっ……そのキスマーク、なにかな?」 「…さあって、きりきり吐いて貰うわよ?」 「兄さんっ……わたし、悲しいですっ。いじけちゃいますっ。」 「ほほう…中々度胸があるようだな、小日向?」 「小日向様……。」 5人の修羅が待ち構えてました。 「ま、待った!  これには、まあ色々と……事情があるんだ、うんっ。」 「ねえ鈴莉、これってどう見てもキスマークよね?」 「ええ音羽、これってどう見てもキスマークだわ。」 「きっと、昨日何かあったのね?」 「ええ、昨日何かあった筈よね。」 「って、いきなり復帰して煽るな二人ともっ!!」 「「「「「………。」」」」」 じろり。 「いや、ほら……じゅ、準っ!?お前からも何か言ってくれっ!  昨日はハチとお前でパーティをしてただけだよな!なっ!?」 必死の思いで、準に縋る。 ……だが。 「…ま、雄真ってばあたしに内緒で彼女を作ってただなんて……酷いわっ。  きっとパーティが始まる前に、彼女とラブラブしてたのねっ!?」 「何だそりゃ!?」 いきなり何を言ってるんだ準っ!? 「…杏璃ちゃん。雄真くんを確保。」 「了解、春姫っ!」 「伊吹ちゃんっ、兄さんを捕獲ですっ。」 「うむ!沙耶、援護を!」 「畏まりました、伊吹様っ。」 「う、うわあああっ!?」 「あらら……雄真ってば、大変ねー。」 「…本当ですね。」 「って…いいんですか小雪さん?雄真への尋問に参加しなくて。」 「ええ……大体の想像はついてますから。  ………負けませんよ、準さん?」 「………えっ?」 続いたり続かなかったり。