※『檻』輸送イベントより 「…うーむ。とりあえず荷物を奪う、ねぇ…。  よりにもよって、そんな仕事を引き受けてしまうとは…。  ……しかも。」 ぴーがががが。 きゅぴーん。 「…試作品だか何だか知らないが…役に立つんだろうな、  このポンコツ…。」 ざっざっざっ。 「…お、来たか。  やれやれ、あんまり乗り気はしないんだが…。」 「…待て。」 「何者だっ……って、アレ?」 「…お姉ちゃん?」 「…沙耶さん?」 ぴしりっ。 「相羽っ!?」 「竜胆っ!?」 「…何やってんだ、そんな黒尽くめのカッコして?」 「いや…何と言うか…襲撃?」 「襲撃って…何を?」 「多分…そこの荷物?」 「…アンタ、変な奴だとは思ってたけど…ついに盗賊に  なっちまったのか…。」 「違うわっ。これもれっきとした依頼だ依頼っ。  …まさか強奪任務だとは思っていなかったけど。」 「えーと、お姉ちゃん…あの黒尽くめの人と知り合い?」 「…知り合いと言うか何と言うか…。」 「初めての相手と言うか何と言うか…。」 「「初めてっ!?」」 「あ。」 ごごごごごごごごごごごご。 「あーいーばー?」 「いや、ほら、口が滑ったって言うかごめん竜胆。」 「…其処に直れ。ぶった切ってやる。」 「ぶった切るって言われて行く奴があるかっ!?  ええい、行けっ、新型ランサー!!」 ぴーがががが。 きゅぴーんっ。 どどどどどど。 「…みょーに手の長いランサーだな。」 「しかも8本あるわね。」 「…何だか弱そうだな。」 じゃきっ。×8 ぶんぶんぶんぶんぶんぶんぶんぶん。 「…何か…嫌な予感?」 「「………。」」 きゅぴーんっ。 ずががががががっ。 「「「ひゃあああっ!?」」」 ずががががががっ。 「…を、意外と高性能。  流石に8本の腕振り回されちゃ、竜胆も防ぎきらないか。  …さて、今のうちに積荷を物色するかなー。」 がさごそ。 「…うーん、コレでも無いし。コレも違う。  ……ん?コレは…って、これパンツじゃん。これも違う。  …………パンツ?」 「………あの、返してください…。」 「…誰、君?」 「…ああっ、ポルテが脱がされてるっ!?」 「ポルテさんっ!!」 「…手早いなぁ、流石は盗賊。」 「ワザとじゃ無いっ!積荷漁ってて気づかなかっただけだっ!!」 「……あの、どうでもいいですからパンツを…。」 「相羽、あたしってものがありながら、ポルテにも手を  出そうとは…いい度胸だ。」 「いやそれは誤解だ!  …そもそも、俺はベネット先生派なんだが?」 「五月蝿いっ!今日こそきっちりぶちのめして、そのまま  連れ帰ってやるからなっ!!」 「その前に後ろのメカ何とかしておねえちゃーん!?」 「何か激しく煙吹いてるんですがー!?」 ずがががががががっ。 きゅぴーっ。 「喰らえ相羽っ!!!」 「うわこっち来るなメカがー!?」 「いいからパンツ返して下さいっ!?」 「何とかしなさいよユウキっ!?」 「無茶言うなリナ!つーか明らかに怪しい煙がっ!?」 きゅぴーーーっ。 ちゅごーんっ。 「…ちっ、逃がしたか…。」 「……あぅ、パンツが細切れに…。」 「…死ぬかと思ったわ。」 「……この場合、全て避けきった盗賊を褒めるべきなのか、  全て外したメカが馬鹿なのか、どっちだろう…。」 「…所で、積荷は?」 「「「………あっ。」」」 「…ふー、酷い目にあった。  しかし、竜胆…相変わらずの性格だったな。  アレでもうちょっと大人しくなればいい女なんだが…。」 ころん。 「…ん?コレは…積荷か?」 ひょいっ。 「………っ!?」 (くっくっく、よし、ようやく我の出番が…。) 「うむ、いい握り具合だ。なんて言うか、こう…投げたい感じだな。」 ぽいっ。 (…はー!?) べちゃっ。 「…うーむ、投げやすい。いい感じだな。」 ぽいっ。 べちゃっ。 (ごふっ!?…を、をい、もうちょっと優しく扱えっ!?) 「…ふむ。面白そうだからコレットにでもぶつけに行くか。  相変わらずちびっ子かなぁ…。  すぐ燃やす癖、治っていると良いが…。」 ぽいっ。 べちゃっ。 (げはっ!?な、我を何だと…ああ振り回すなっ…。)